HIVもエイズもどこか人ごとって思っている方が多いと思いますが、日本国内では羅患者が増え続けているのが現状です。
他の先進国では性教育が徹底されてきているので、羅患者は減少傾向なのです。
先進国の中で感染している患者が増え続けているは日本だけと言う悲しい現実・・・。
泌尿器科の看護師のお話です。
私は泌尿器科に勤める現役ナースです。
ちょっとマイナーな泌尿器科の仕事ですが、私はとても興味深くて楽しい科だと思います。
泌尿器科って、膀胱炎とか腎盂炎とか尿道炎とかひん尿とか・・・そんな患者さんが多いイメージですが、実は性病の相談がとても多いんですよ。
性病はエイズも含めて確実に増えていますし、検査や相談を受ける方も増えています。
性病には色々な背景があって、人生模様が見えると言うか、とても奥深いものなんですよ。
そんな所に興味を持つ私も変わりものなのかもしれませんが、色々な患者さんがいて本当に飽きません。
エイズノイローゼになる前にいろいろやる事あるよね・・・
性病やエイズを心配されている方は、それなりに身に覚えがある行動をしている事が多いのですが、一度自分はエイズかもしれない!自分は何か重大な性病かもしれない!と思いこむと、それこそノイローゼの様に思い悩むことになります。
エイズは思い当たる出来ごとがってから抗体が出来るまでに時差がありますから、それまでの間や、検査結果を待っている間は強迫観念に駆られて大変なことになります。
本当に色々な患者さんが相談に来るのですが、どんな出来ごとがありましたか?心配事はなんですか?なんていう問診には、事細かく体験が書いてあります。
男性の場合は、そりゃぁ性病の心配もするだろう・・・と思ってしまう様な生活を送っている方も多いものです。
風俗通いが趣味と言う男性が、急にエイズの不安が強くなって来院したり、上司に連れられてヘルスに行ったけど自分はエイズに感染しているに違いないとか、ナンパが好きで1000人斬りは達成したと言う男性がある時ふっと不安になってエイズノイローゼになって来院とか・・・色々な方がいますね。
女性は風俗関係の仕事をしている人が多いのだけど
女性は風俗関係の仕事をしている方の相談が多く、実際に性病が見つかるケースも多いです。
先日も風俗関係の仕事をしている女性が相談に来ました。
問診には、ピンサロとかフェラチオとか生なましい言葉が沢山出て来て、ちょっと戸惑いました・・・。
ピンサロで働いていて、口内炎や歯肉出血がある時にフェラチオをしてしまったけど、エイズに感染していないだろうか??とノイローゼ状態でやって来ました。
検査の結果はエイズは陰性でしたが、それ以外の性病にはかかっていました。
最近は、風俗関係の人の患者も増えてきました。
エイズ患者さんは、日本国内には1万人ほどいると言われていますが、検査をしていない方も含めるとこの数倍はいると考えられます。
性にオープンになった事もあり、気軽に性行為をしてしまう若い子も増えています。
先進国ではエイズ患者さんが増加を続けているのは日本だけです。
エイズだけではなく、性病が原因で不妊症になったり、男性不妊の原因にもなります。
性がオープンになりすぎて、性病の羅患者も増えている現状です。
もはやエイズは、同性愛者や風俗で働いている人だけの特別な病気ではないのです。
性病を患っている状態だと性器が傷ついているので、HIVの羅患率が跳ね上がります。
性病を甘く見ていると、HIVなど命に関わる病気になる可能性が高くなりますよ。
しっかりと知識をつけて、適切な対処法で防ぐ事が出来るのが性病です。
エイズの拠点病院について
エイズの拠点病院になっているので、HIV陽性の方が入院されてきます。
私が病棟に勤務していた時、まだ30代のHIVの方が入院されてきました。
もう数年前の話なので、今ほど治療法が確立されていなくて、当時はかなりかなり状態が悪くなっていました。
HIVに感染してもすぐにエイズを発症する訳ではなく、感染から数年から長い方だと10年以上(今ではそれ以上)経ってからエイズに移行していきます。
現代の医学でもエイズを完全に完治させる治療法はありませんが、エイズを発症するまでの時間を延ばせるようになってきています。
エイズが発症した状態になると、全身の抵抗力が落ちて、私たちが日常生活で触れているありふれた菌などに感染したり、風邪や虫歯が命取りになってしまいます。
私が印象に残っている当時30代の男性患者さんは、かなり病状が進んでいたので、重度の感染症を起こしていて、皮膚のちょっとした傷口から無数の細菌が入り込んで、皮膚が当たる場所(主に背中や臀部)の皮膚がただれて、でも治癒力が全くないから、浸出液が大量に出て、皮膚が溶けるような感じでベッドに張り付いてしまって・・・。
処置をする際にも浸出液から私たち医療者が感染してしまう事も考えられる為、厳重に手袋・ガウン・マスクをして物々しい厳重装備で看護をしていました。
ちょっとした雑菌で命取りになるので、面会謝絶。
本当に苦しい治療だったと思います。
結局、全身の皮膚が溶けるようになってしまい、患者さんは数日後に亡くなりました。
とても印象に残っていますし、この時にエイズ・HIVは本当に恐ろしい病気だと知りました。
まとめ
エイズを含めた性病は特別な病気ではなく、時には死に至る病気です。
感染すると怖い病気であることは間違いありません。
しかし、正しい知識を身に着ければ予防ができる病気でもあります。
まずは、知ることから始めることが大切だと改めて認識させられました。