子宮けいがんを克服した看護師の体験談

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この記事は子宮けいがんを克服した現役ナースのお話です。

 

現在は再発もなく看護師として復帰をする事が出来ました。

 

一時は絶望で暗いトンネルの中から抜け出せない日々でしたが、その時には想像も出来なかった看護師として復帰すると言う目標も果たせましたし、私と同じく子宮けいがんで悩む方に、少しでも励みになればとこの記事を書くことにしたそうです。

 

私が子宮けいがんを宣告されたのは、今から3年ほど前の事です。

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当時は32歳で初めての子どもを妊娠して喜びの絶頂にいました。

 

30歳で結婚して、しばらくは仕事を辞める気もなくバリバリと働いて、そろそろ子どもが欲しいな~と思っていた矢先に妊娠(#^.^#)

初めての妊娠で本当に嬉しくて、旦那にはもちろん、家族や友人にもすぐに報告をしました。

 

私は気が早い所があって、妊娠したと分かったらすぐに、新生児用のかわいい服を買って喜びに浸っていました。

 

そして周りの方のアドバイス通りに6週に入るとすぐに、自宅近くの人気のクリニックを受診しました。

 

予定日が分かるのかな??きれいな病院だな!!なんてワクワクしながら待合室で待っていました。

 

初診の時には問診、エコー、内心などを行い、感染症のチェックや生活習慣病のチェックなどの為に血液検査や採尿を行い、また子宮がんの有無を調べるために細胞診が行われました。

 

子宮けいがんは初期はほとんど無症状

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子宮けいがんは初期はほとんど無症状であるため、定期的に検診を受けて見つけるか、妊娠中の検査で偶然発見されるかと言うパターンが多いとの事です。

 

症状が出てくる頃には、病期はかなり進行しているので、リンパや肺などに転移しているケースが多くなります。

 

初診の際は次の診察までに4週間ほど空くので、特に問題がない妊婦さんなら普通に生活を送ることになります。

 

ところが・・・・私は初診から2週間ほどした時、クリニックから至急病院に来るようにと連絡がありました・・・。

 

私は一体何が起きたのか理解出来ず、まさか先日の検査に問題があるなんて思いもせずに、言われるがままにクリニックを受診しました。

 

クリニックに行くと、ドクターから信じられない言葉が・・・・。

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「先日の細胞診で異形成が見つかりました。精密検査が必要です。がん化している場合は、妊娠の継続は難しいかもしれませんし、治療には子宮摘出もあり得るかもしれない」・・・・・。

 

えええええ????????

 

だいたいの予定日も分かり、ワクワクして幸せな気持ちだったのに、ガラガラと崩れていき、一気に絶望の淵に落とされたような感覚でした。

 

その後、大学病院を紹介され受診し、精密検査を受けました。

 

結果は、ただの異形成ではなく「Ia2」の段階で、すでにがん化していました。

 

子宮けいがんはがんの浸潤の程度により「0期(子宮頸がんは表面に限局している段階)」と1期、少し浸潤している段階を「I期」としています。

 

さらに、このI期をがんの拡がりと浸潤の深さによりIa1, Ia2, Ib1,Ib2 と細かく分類しています。

 

つまり、私はすでに浸潤している・・・。

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Ia1までは円錐切除術を行い、妊娠を継続することも可能ですが、 Ia2期以上になると次第にリンパ節などへの転移の可能性もでてくるので基本的には妊娠中であっても子宮摘出を含めた手術が必要・・・との説明・・・・。


主人も一緒に話しを聞いてくれましたが、帰り道はどうやって家に帰ったのか・・・主人と何を話したのか全く覚えていません。

 

何をしても涙が出て、ヒステリックで1日中不安で落ち着かなくて・・・。

 

数日後、再び大学病院を受診して子宮摘出以外に方法はないのか??妊娠を継続する方法はないのか??と聞きました。

 

子宮を温存出来る方法はあるけど、症例も少なく難しい手術である事、今回の妊娠を継続するのはほぼ不可能だと言われました。

 

今回の妊娠を諦めずに出産まで手術を待ってと言う方法では、リンパや他臓器への転移が進んでしまう可能性が高く、それは出来ないと言われました。

 

主人と、とことん話し合いをしました。

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子宮が温存出来るならまた妊娠が可能かもしれない・・・赤ちゃんも大事だけど今は自分の命を大切にして欲しい・・・子どもを持つことが出来なくても2人で仲良く暮らして行こう・・・色々な話をしました。

 

そして出した答えは今回の出産は諦めて、子宮温存の手術をすると言う事でした。

 

私の様に浸潤した子宮がんの場合は以前は子宮摘出が一般的だったのですが、未婚の方や今後妊娠を望まれる方には辛い手術です。

 

ここ数年は、子宮全摘出ではなく、その後の妊娠・出産も可能となる「広汎子宮頚部摘出術」と言う手術が少しずつ普及してきていますが、まだ一般的な治療とは言えません。

 

私はこの「広汎子宮頚部摘出術」を選択しました。

 

この術式を行える病院はまだ少なく、この術式がある事を教えてくれたドクターに感謝します!!

 

まとめ

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広汎子宮頚部摘出術で子宮がんを克服し、現在は念願だった子どもを授かることが出来、仕事にまで復帰する事が出来ました。

 

現代の医学の進歩は目覚ましいものがあります。

 

子宮けいがんと診断されて辛い日々を送っている方に、少しでも希望を与えられたらと思い、執筆していただきました。